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六本木心中:三上寛
at 2004 11/3
◆今月は会社の研修で一ヶ月六本木暮らしをしている。久しぶりの東京だ、それも大繁華街での暮らし、なかなか微妙な生活である。

◆六本木といえば僕の世代にとっては一世を風靡したジュリアナに象徴されるダンス・クラブなどやパブクラブなどの歓楽街としてのイメージと、WAVE・ABC・俳優座・シネヴィヴァンなどのカウンターカルチャーのイメージの二面がある。

◆しかしWAVEもヴィヴァンもいまはもうない、ABCはようやく復活したがやはり文化の発信基地としての威厳は薄らいでいた。歓楽街のイメージはあいかわらずではあるが、あまり元気そうではないのは実勢景気がまだまだだからだろう。また六本木ヒルズなどのおかげで六本木通りを家族連れや観光客が闊歩しているからかもしれない。少なくとも日暮れ早い時間は普通な街の顔をしていた。とても24時間眠らない街の妖しげな風貌は見えなかった。

◆今日、ロアビルの前に行った。スタバを越えエクセシオールやマックを抜け天下一品をすぎたドンキホーテの向かいにあるロアビル、なんて説明すると形無しなのだが、ビル内もリラクゼーション系の温泉フロアや漫画喫茶がともにワンフロア入っていた。ななめ向かいにも漫画喫茶が見える。なんだかなぁ。。。高円寺かそれとも錦糸町かね、ここは。

◆まあ日本全体が次第に形を変えてきているのかもしれない。買わなくていいものは借りる。安くても良いものを選ぶ。変なプライドよりも着実な生活を守るライフスタイルがこれからは大切なのだろう。正しいことかもしれない。

◆さて、近頃はまっているのは三上寛だ。笑うな、すごいんだよね、この人。72年にこれだけダークで剥き出しでシュールレアリスムで歌謡曲でくそみたいな音楽をやっている人が日本にもいたなんて驚きだ。椎名林檎も倉橋ヨエコもこのドロドロさの中では形無しだろう。

◆人間の欲望や羞恥や痴性や悩みやそういうあまり表に出したくないものを全て詰め込んだアルバムひらく夢などあるじゃなし、この毒に触れたらなかなか戻ってこれないのだろう。カルメンマキといい、三上、あがた森魚、小坂忠、、、70年代前半にはぶっ飛んだアーティストが多いね。掘り返すのが楽しいものだ。


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過渡期 : David Bowie
at 2004 11/20
◆出版技術というのはなかなか一筋縄でいかないものだ。

◆僕がこの業界に入ったとき、会社は活版の紙型で保存されていた作品をオフセット化するのに一生懸命だった。紙型から樹脂版を取り、それを印刷したものを反射原稿として分解しオフセットを作る。世の中はオフの時代だ〜という感じだった。ちょうど電算写植機が組版会社で主流になってきたころだ。

◆数年して再び作る部署に行ったときはDTPが普及し始め、MOやFDでの入稿が多くなり、WYSIWYGという概念が理想とされ始めてきた。思ったものとPCで作ったものとプリントアウトしたものと校正ゲラが全然色が違い、結局、こっそり旧来のやりかたでやり直すということが続いた。

◆ここまでは印刷や編集関係の書籍を見ればある程度解決できる部分だ。その仕事で金をもらっている以上、できなくてはいけない業務だと自分でも思っている。だが現在は、作りたいフォーマットのページメイクをするためにはまずシステムを構築しなくてはならないらしい。作り上げたシステムやサーバーの障害が問題になったり、新たな特集のためのフォーマットを構築したりするのが雑誌制作の上では重要な進行管理業務になるらしい。時代はどんどん変わっている。

◆現在、東京本社で研修をしているが、座学で学ぶものの中にカットオーバーとかバッチ処理とかFTTPとかそういう単語が飛び交っている。僕らはSEやPGなのか? コンピューターがここまで深く出版にかかわってくるとは正直想定していなかった。もう台紙や写植や色校正なんて言葉は過去のものらしい。出版にかかわって10数年ほとんどいつも新しいやり方を学び、今は過渡期だからという言葉を発している。

◆変わりつづける男David Bowie。その変貌の早さにはいつも驚かされる。「ボウイの音って趣味じゃないなぁ」と思っても、次のアルバムではまったく違った音を出している可能性があるのでバッサリ切ることができない。これも商魂だろうか? そんなボウイの原点というかデビューアルバムというものを聞いた。タイトルはそのものずばりDavid Bowie

◆かなりアコースティックでかなりロマンチックな演劇的なアルバム。トータルアルバムを目指していたのだろうか? ストリングスが舞い踊りオペラのような感じになる曲、ヨーロピアンな哀愁のメロディだったり、民族風味のフォークだったり、一枚のアルバムの中で何役もこなしている体裁だ。クルクル変わる変幻自在さがボウイのやりたいことだったのだろうか? 

◆火星人だったりホモセクシャルだったりスーツでクラブに繰り出すヤッピーだったり重厚な音を出すバンドマンだったり色々な役を演じること自体が彼のやりたいことなのだとすれば、彼は死ぬまで変わりつづけるのかもしれない。つまりボウイを評価できるのは彼の変化が終焉を迎えた時=Dead End。死ぬまで過渡期であろうとする=完成を求めない男David Bowie、彼のファーストアルバムには彼のすべてが詰まっていた。しかしそれは「どんどん変わっていくよ」ということを示唆したことでしかなく、結局彼をずっと追いつづけていかなくてはいけないというすでにわかっている事を再認識させられただけだった。

◆技術的な進化って、すべてのことに必要なのだろうけど、コンテンツの品質を深めていきたいというソフト系の仕事にとっては結構、副次的な業務のような気分なんだよなあ。あぁ今度は入稿形態が改良されるんだって?・・・・・・。

◆公式HPはhttp://www.davidbowie.com/



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ファンクアルバム:Neville Brothers
at 2004 11/24
Neville Brothersの新譜がいい!

walkin' in the shadow of life、つまり「人生裏街道」なんて演歌なタイトルの癖にとってもファンク、まるでミーターズ全盛時のような力強さだ。しかしサウンドはミーターズのそれよりもずいぶんダンサブルだ。「腰の砕ける」という表現のミーターズサウンドではなく、ビートが強くてクールだ。曲によってはP-Funkのようでもある。これが50代、60代のファミリーが作るサウンドなのだろうか?

◆HipHop風味にラップが飛び出たり、ねっとりクールファンクだったり、コーラスワークがEW&Fかと思わせたり(アーロンがフィリップベイリーね笑)、、、近頃AORにでもなったのかしらんと思わせていたネビル兄弟だっただけにこのダンスアルバムはとってもご機嫌だ。

◆しかし、やたら若い音だなぁと思ったらIanやAaronJr.、JasonやOmariなどのNeville家の次世代たちがかなり作曲や演奏に深くかかわっている。Artの長男Ivanに至ってはすでにNeville BrothersのHPではメンバー扱いだ。こうやって世代を超えた音作りができるところがニューオリンズサウンドのいいところだろう。日本ではこうも上手くいくのだろうか、コラボレイトっぽいものもあるにはあるがやはり世代の妥協的な産物になりがちだろう。

◆プロデューサーMilton Davisのベースが気持ちいい#1、ターンテーブルも回っているようです。まじP-FUNKな#3(コーラスなんて、これからクリントンが登場するみたいだ、もしかして金ぴかに杖突いたArtの登場ソングだろうか?)、おおMaceoっかと思ったらCharlesですね。ちなみにラップはJasonです。大盛り上がりの#4はテンプテーションズナンバー(らしいです)。そしてメッセージ色の強い#5は当然シリルの曲ですがU2のBonoと共作ですね。インスト#6はシリルのパーカスが堪能できます。

◆レゲエビートの#7はアーロンの甘い声に辛めのラップやコーラスがしっくり来るゴキゲンナンバー。ボーカルの重なりがとても好みなミディアムファンクの#11が最後に盛り上げ、#12の血のつながりを謳ったバラードを堪能し、ラストにはBoneyM.の大ヒット曲となった「バビロンの河」オリジナルはジャマイカのメロディアンズです。こちらは一気に50年代風のコーラスを聴かせてくれています。

◆こんな素敵なアルバムですが、一つ希望を言えばニューオリンズ好きな私としては、もうセカンドラインビートは聴けないのかなぁってことかなぁ。ネビルズのHPはhttp://www.nevilles.com/。今回は完全なレビューになってしまった。


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