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コードネームはバーバラ:戸川純

at 2003 02/03 00:12

◆戸川純! キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!! なんて思っていらっしゃる御仁もいらっしゃるかと思います。ついにここまで来てしまいました。。。

◆それは某違法レンタル業者にてゲルニカの3枚組BOXを見たとき、ふと戸川純を聞き返してみようかと思ったことからでした。そして借りたのが上記の3枚組BOXではなく戸川純ツイン・ベリー・ベストコレクションという代物。要するにソロ、ゲルニカ、ヤプース、ユニット等、彼女のすべての音楽活動からのベストセレクションという内容でした。

◆戸川純って歌手だったの?と若い人は訊きます。歌手になった女優なのか女優になった歌手なのか、ボクにはあまりわかりませんが、今聞き返してみると、やはりある時代のあるムーブメントの象徴だったのではないかというような気がします。

◆東京ニューウェイヴというか、NHKと西武が細野さんや糸井さんを使って、一生懸命渋谷をテクノポリスに見せようとしていた時代、NHK土曜日の「YOU」で絶望を理解したようになっていた時代、宝島やビックリハウス片手にピテカンやツバキハウスに通っていた時代、水族館レーベルの鈴木さえ子の外見にちょっとドキッとした時代、屋根裏でアングラは死滅したのかという議論をつまみに酒が飲めた時代。。。

◆そんな時代があったのかどうか僕にはわからない。だって、田舎の小中学生にとって、見えていたのはメディアから伝えられるものだけ。「メディアセックス」懐かしい本ですね。そんなメディアから伝えられるちょっと年上の文化はボクにとって憧れでもあったし、反発でもあったし、禁断っぽくもあった。まだ君はそこに入る歳じゃないよ、と警備員さんに叱られそうだった。

◆戸川純はある意味、岡崎京子の「pink」なのかもしれないと、パンク蛹化の女を聴きながら思う。戸川純はある意味、「ドレミファ娘の血は騒ぐ」の洞口依子なのかもしれないとロリータ108号を聴きながら思う。戸川純は夢の遊眠社の「贋作・桜の森の満開の下」 で坂口安吾役の野田秀樹に妖艶な笑みを流し込んでいた毬谷友子なのかもしれないと玉姫様を聴きながら思う。

◆いづれにしても僕が唯一見た「唄うトガワジュン」は、「夜のヒットスタジオ」で周囲の唖然とした視線にさらされながらも立花ハジメデザインのような衣装に身を固め、首を筋だらけにして「レーダぁマーンっ擬似っロボットこーせーのー」と叫んでいたサイバーウーマンでしかない。それ以外に歌を唄うトガワジュンは知らない、いや知ってはいけない気がしていた。禁断の扉を開けてはいけない、10代のボクがそこにはまると抜けられないもののような気がしていた。それは「夜想」や「幻想文学」や「国書刊行会」を避けていた時の感覚に似ている。

◆だから30代になってやっと聴くことが出来た。傍観者として過去のムーブメントを見るようなつもりで聴いたはずだったが、はまっている自分がいることに気づいた。何にはまってるの? パートリッジも鈴木慶一も見向きもしなくなった使い古されたニューウェーヴに? 早すぎたジャン・ピエール・ジュネよろしく大田蛍一と上野耕路が作りあげた昭和歌謡ロマンの書割のような擬似サイバー世界に? 輪姦された後、血の滴る太ももを隠して平然を装っているような彼女のロリータイズムに? それとも・・・?

ゲルニカの公式HPなんてあるんですね、ここから各公式HPへいけます。

疑問:Phoebe Snow

at 2003 02/16 01:04

◆今月はPhoebe Snowを二枚手に入れた。ファーストであるPhoebe Snowと名作「雪模様」と同じ年に発表のNever Letting Goだ。私はかなり昔から彼女の力強くかつジャジーな色気と優しさにあふれた歌声は大好きなのだが、知っている限り「名盤」としての再評価を受けたことはない。

◆アーティストとしてはSSWの括りになるのだろう。今でもまだまだ活躍中だ。近作を聞いたことはないが、ドナルドフェイゲンとのライブアルバムでは往年に負けず劣らずのいい歌声だった。ソウルとは違う、しかし、明らかにソウルフルな歌声をジャジーでアーシーなビートに載せて唄う彼女。リンダロンシュタットの黒い感じ?アップビートなんかはボビー・チャールズの女性バージョンに近い物を持っている(バラードは全然違う)。バラードはリンダとキャロルキングに近いのかな。どう考えてもウッドストック系SSW好きのお兄さんたちのツボにはまると思うんだけどなぁ。

◆彼女を知ったのはPaul Simonの歴史的名作「時の流れに」でのゲスト参加だった。B面の一曲目Gone at Lastでひ弱なポールのボーカルに食ってかかる勢いのあるねーちゃん、中学生のボクは、Tina Turnerのようなおばさんをを想像してしまったものだ。たぶんポールもソウルフルな曲を作りたいが自分の声量では唄いこなせないと判断しての器用だろう、同じPhil Ramone一派だったことも関係あるはずだ。フィービーのおかげで甘くほろ苦い全体のトーンにカツが入り、いい出来になっている。

◆すごくソウルフルなんだけどブラックという括りにはどうやっても入れないのは歌声のソウルさに対し、楽曲が都会っぽすぎるからだろう。汗かく感じではない。どちらかというとアコースティックで小粋な音だ。大ヒットのShakey Groundはどっかで聞いたことあるはず。聴いたことのない人たち、是非彼女の歌声を聞いてほしいものだ。まずはThe Best of Phoebe Snowでどうぞ!

今月のオトシャベリへ、●アーティストリスト


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