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もう大人になってしまったんだね:佐野元春

at 2001 02/07 14:46

◆金がないのでしばらくCD購入を控えようと思う。だからしばらくは旧譜紹介、つまり僕の若かりし日(笑)の思い出を語ることにしたい。

佐野元春が若者の代弁者の位置から去ったのはいつのことだろうか?あれほど誠実に音楽を愛したミュージシャンも少ないであろう。同時期にデビューし、共に日本のニューミュージック史POPS史に大きな影響を与えたサザンが第一線でヒットを飛ばしているというのに、彼はどうしてしまったのであろうか。

◆佐野元春をきちんと知ったのはNHK−FMのサウンドストリートだった。当時渡米中だった元春からのホットな音楽情報は、日本では知りえない情報に満ちており、中学に入りたてだった自分にはとても輝いて見えたものだ。その誠実そうな語り口とRockに対する愛情、そして、何よりもTVの歌謡曲とは全く違った音楽センスに酔い、即ファンになった僕は小遣いをかき集めレコードを買い集めたものだった。当時元春のレコードはオリジナル3枚とベスト1枚。どれもメロディックでかつ情熱的なメッセージに溢れ、子供心にRockの可能性を信じさせるものだった。

◆当時から元春とSASの桑田は若者の信頼を勝ち得ていたアーティストだった。しかし、SASが今でも若者の支持を得ており、高校生がカラオケで歌うことのあるアーティストであるのに対して、元春が大衆文化の中では、すでに過去の人(失礼!)である理由はこのアルバムVISITORSに秘められていると思う。

◆自分のプロデューサーであった伊藤銀次らに対してすら影響力を与え、その音楽性を大変化させてしまうことのできた彼は、NYのHIPHOPの空気を存分に浴び、そこからこのアルバムを産み出す。しかし84年当時、音楽界は松任谷由美や来生たかお等が中心となっていた。また、同年大瀧詠一氏の最新アルバムEach Timeが旋風を巻き起こしていた。とてもHIPHOPの受け入れられる時代ではなかったのだ。元春のラジオ番組にもメロディがない、歌が聞き取れない等の苦情ハガキが大量に来ていたようだ。

◆抽象的な現代詩のような歌詞と激しいビートに乗っかった、歌とは少なくともいえないライム。現在なら何ともないものが、当時は当惑の的だったものだ。「Someday」や「グッドバイからはじめよう」等のメロディアス路線に進み、多大なファンを獲得していただけに、その批判は大きかったのだろう。

◆正に時代を先取りしたことへの悲劇、それがこのアルバムの印象だった。半歩先取りは新しいかんじがするけど一歩先にいっちゃうと、相手が引いてしまうのは、人気商売も恋愛も同じこと。なんか「つまらない大人にはなりたくない」ガラスのジェネレーションの代弁者が、求道の芸術家になってしまったかんじがしたものだ。このアルバム以降、ポエトリーリーディングのカセットブック出したりして、ますます、POPなスターダストキッズは、カフェボヘミアにたむろうような気難しい文学者の様相を呈してくる。

◆音楽に対してあまりに誠実に、必死に取り組んでしまったため、元春は聴く者をおいていってしまったのかもしれない(なんかジョージャクソンと似た道を歩んでいる様な気がする)。たしかにこれ以降のアルバムも音楽のクオリティ的には高い物が多いし、客観的に聴くには充分だろう。しかしもはや、若者の共感は得られないだろう。Rockという芸術の山を懸命に登ってはいても、彼はRockスピリッツを持ったジェネレーションの代弁者ではないからだ。気難しい芸術家となってしまった。

◆だからといって元春の音楽がダメだとは思わないけどね。まぁ昔好きだった分、逆に聴かないなぁって感じ。でも実はVisitorsは好きなんですよ、カッコイイ。ぼくはHIPHOPやなどが好きなので、最初からそういう素養があったんだろうな。Complication Shakedownなんて時々口ずさんじゃうもん、お経みたいになるけど(笑)。しかし、時代を先取りした作品って時代が過ぎると古びて見えるんだよな。やはりSomedayあたりが今でも輝いてるよ。別に好きではないけどSASはKamakuraの時期を除いてなら新作も旧作も輝いている。やっぱそこが違うよね。ガンバレ元春!

◆公式HPは→

甘く楽しい日本のPOPS:伊藤銀次

at 2001 02/07 20:17

◆元春の次は伊藤銀次(笑)、年代が丸わかりですねー。

◆知らないアナタにプロフィール:元ごまのはえ・ココナッツバンクを経て山下達郎・大貫妙子のいたシュガーベイブに。ソロ後、大瀧詠一・山下とナイアガラトライアングル(第1期、2期は大瀧・佐野元春・杉真理)。甘いPOPで若い女の娘の支持を得る。佐野元春と出会いプロデュースやバックバンド参加等で歩調を合わせるが、却って彼の影響を受けRockを意識し始めた。現在まで13枚のソロアルバムを持つ。プロデューサーとしてもシブがき隊・ウルフルズ等で有名。イカ天の審査員してたのは記憶にありませんか? 本人いわく、最大のヒット曲は「笑っていいとも」ののオープニング「ウキウキウォッチング」(笑)。

◆なんか前の書き込みと続いちゃうんで、元春が嫌いなようないい方になっちゃうんだけど、元春と出会う前の銀次は本当によかった。SugarでPOPなアダルトキッズ「ちがうんだよMy Little Sweet Kiss♪ 昨日電話で話してたあの娘、遠い昔の恋人なのさ〜」「They Call Me Sugar!Sugar Boy Blues 優しいだけの恋じゃ繋ぎ止められない〜」「Party Goes On 窓から入ってきてもいいよ」。。。口に出すと恥ずかしくて照れてしまうPOPで可愛いチューンが頭の中イッパイに広がってきちゃいます。

◆POPさだけじゃなく、モータウンぽさといい、華奢な体つきといい、なんとなくオザケンと似てません? オザケンの「子猫ちゃん」なんてフレーズも恥ずかしくて。。。(笑)

◆冬!銀ちゃんって絶対冬ですよね〜。暖かい部屋の中、甘いミルク、ポニーテールの女の娘、そんな古き良きアメリカングラフティちっくな世界が大好きだったら是非聴いてみてください。中でもオススメというか、何度も何度も繰り返して聴いたのはSUGAR BOY BLUES。冬の学校帰りの自転車、切り刻まれるくらい寒いんですよ。でもこのアルバムを聴いてるとなんとなく楽しくなってきてしまう。中学時代の僕の帰宅テーマでした(笑)。まぁこのアルバムは単にPOP、楽しい、それだけに尽きます。レコードも持っていないしCD再発もないです。中学の時のテープももうどこいったかわかりません。でもほとんどの曲を覚えてます。それくらい好きでした。

◆でも元春の影響を受けた銀ちゃんはあんまり好みじゃない。問題意識を持ったり、強いビートでラップっぽく歌ったり。。。いつまでたっても夢見る青二才(失礼!)なのが銀ちゃんの魅力だったのに。

◆公認私的ファンページのPOP STEADY#9、ファンクラブも運営しているそうです。

体調が悪いと優しさが欲しくなる。。。:PrefabSprout

at 2001 02/11 20:36

◆寒い。。。冬だから当たり前なのだが、風邪が完治しておらず、相変わらず背中に悪寒が走る毎日だ。

◆昨日も結局寝込んでしまった。編集からサラリーマンらしいスケジュールに移ったからだろう。妙に土日に気が緩む。30にもなって風邪でごろごろしているのはさすがに情けない気もするが、致し方ない。つまらないテレビ番組でも見て気を紛らせるしかない。

◆そんな状態の日はどうも、昔の付き合いがなつかしくなる。アイツどうしてるかなぁなどと、電話番号を手繰ったりして。。。しかし3連休1日目の夕刻、だれも電話に出るわけがない、俺だって出ないよ(笑)。そしてたまたま相手が出ても言葉に困るんだな、「おう、ひさしぶり!どうしたん?」「いや別に。。。」「どうしたんよ?」「どうしてるかなって思って」鬱屈したまま電話をかけているから話題が浮かばない。呑もうぜというお誘いのわけでもないので言葉に詰まる。気まずい時間だけが過ぎていく。やはり調子が悪いときは家で寝てるしかないね。。。

Prefab Sproutもこの頃どうしてるんだろ? 全然音沙汰ないよね。90年にJordan:The Comebackを出して以降、97年にほとんど話題に上らなかった1枚出したっきり21世紀になってしまった。気概はとても気骨のあるRockっぽいバンドなのに妙に優しくって温まる音を出すやつらだった。

◆バンドの中心はPaddy McAloonとプロデューサーのThomas Dolby。優しくって温かい幻想的な音作りはたぶんにDolbyの力なんだろうな。はじめて知ったのは88年のアルバムFrom Langley Park to Memphis。若くて、いかにも古き良きR&Rに憧れているバンドって感じのジャケットだったんだけど、音を聞いたらGreen Gartside(笑)。たまたまScritti PolittiのProvisionが出た当時ではまっていたところもあり即GETだった。彼らの最大の良さはバラードの美しさ。切なくて耽美的でしかし締まりのあるバラードはScrittiPolittiよりも良く出来てるんじゃないかな? とても気に入ったものだ。

◆そして満を持して登場がこのアルバムJordan:The Comeback。Jason AnkenyがAll Music Comの批評の中で「役者のいないサウンドトラック」だと言っているが、19曲に及ぶ音の洪水、そしてサンバが出て来たり、ボレロが出て来たりする万華鏡のような雰囲気、あたかも旧約聖書の逸話を彷彿とさせる仰々しい言葉の数々(歌詞の意味はわからんが)は、なにか壮大なストーリーを感じさせる。

◆しかし、言葉がわからない我々には、そんなことよりも音が与える印象の方が大切だ。基本的にはLangley Parkからほとんど変わらない音作り。相変わらずもこもこと幻想的なPOPと切なく可憐なバラードが巧みに混在している。発表から11年経った今考えると、「相変わらず」というよりは集大成だったのではないだろうか?とも思えてくる。84年にSwoonでデビューしてからの6年間のThomas Dolbyとのスタジオワークの集大成。事実この後の唯一のアルバムAndromeda Heights(97発表)にはDolbyは参加していない。メロディメーカーMcAloonと鬼才Dolbyというコラボレーションの完成品としてこのアルバムを考えてみると、まさに美しく完成されているのではないだろうか。

◆Dolbyのバラードはアレンジ等の構成がとてもエキセントリックで美しいがメロディと歌がイマイチだった。そこにMcAloonのメロディと歌を加えた事で、互いに補強しあってこのアルバムが完成したのだとしたらそれはとても素晴らしい事だ。

◆とりあえずとても優しくって愛らしくって美しいアルバムである事にはかわりない。ぼくの中でもPrefabはこのアルバムで満足だ。完成作だと思う。

◆公式HPは。試聴もできます

スイング好きな旦那さんへ!セカンドラインはいかがか?:Kermit Ruffins

at 2001 02/12 14:18

◆結構Swingは好きである。ベニーグッドマンのような白人ビッグバンドものも好きだが、出来ればサッチモのような、ちょっとダーティでニューオリンズ入ったものが好ましい。

◆深夜、部屋をうっすらと間接照明にして、濃いバーボンをあおっていると遠くから聞こえてくる、たった一人なのに妙に心が和んで楽しい気分になってくる。ニューオリンズJazzってそういうイメージ。中学のころ映画「上流社会」(High Society)を見て、初めてサッチモを知ったころからそういうイメージだった。孤高の様なトランペットの響きと、だみ声のスキャットがとてもかっこよく思えたものだ。

◆サッチモよりは垢抜けているがKermit Ruffinsもまけず劣らずかっこいいニューオリンズJAZZのトランペッターだ。99年に見つけたこのアルバムSwing This、今でも僕のヘビーローテーションの中に入っている。

◆Bapが現れて以降のJazzは比較的シリアスでヘビーなものが多かった。Milesの影響だろうインプロビゼーションがもてはやされ、しかめっ面で自らの芸術を説く、そんなJazzに僕は親しみをもてなかった。音楽ってもっと気楽で楽しいものという感じをもっていた。

◆Kermitの音は楽しい、その一言だ。弱冠36歳にしては突き抜けすぎている感も否めないではないが、とにかく楽しんで演奏している感じが伝わってくるのが良い。Dirty Dozen Brass Bandと比較されがちなThe New Rebirth Bandから92年にソロデビューした彼は終始一貫楽しんでる。そのラッパの響きもボーカルもとてもサッチモっぽい。しかし黒人が虐げられていた時代のサッチモよりも生活が楽なのか肩の力が抜けている感じがしてとてもリラックスできるのも良い。これならJazzファンでなくても楽しんで聴ける。聴きながら酔いつぶれるには最適なアルバムだと思う。このような肩の力の抜けた音楽が世にあふれれば、音楽の進化は止まってしまうだろうが、人々は平和に笑って過ごせるかもしれない。

◆数曲で自らの子供たちにボーカルを取らせているのも、ご愛嬌だ。普通はエゴを感じてしまうこのような企画もなぜか笑ってすごせてしまうのは彼の人柄だろうか?

◆公式HPは→。試聴は→。ぜひ聴いてみてください。超お勧めですよん♪


昔語りです:FairgroundAttraction

at 2001 02/16 13:22

◆Eddie Readerをボーカルとし、たった1枚のオリジナルアルバムのみで解散した儚くももの悲しいバンドFairground Attraction。彼女等に関しては多くの人がさまざまな想いを持っていると思う。だから音楽自体に関しては何も語らない。その代わり、僕の感傷を書き記したい。くだらない個人的思い出なので、一笑に付していただいて構わない。

◆中高一貫の男子校で思春期を過ごした僕の、ちゃんとした初恋は高3の春である。それまで、ほとんど同世代の娘とコミュニケーションをとった事がなかったので、恋といっても遠くで「可愛いなぁ」と見ているだけだった。

◆それが、受験時期に入って、図書館等に通う事になり、徐々に交際範囲が広がっていった。その頃、仲良くなった娘の一人に、僕ははじめてちゃんとした恋心を持ったものだった。いわゆる美人、色白ではかなげな外見をした娘だった。

◆しかし、そんな娘が恋愛初心者に振り向くはずがない。想い想って4ヶ月、結局イチかバチかで当たって撃沈(笑)。夏休みを真近に控えた7月だった。

◆いやー凹んだ凹んだ。もう勉強なんてやっていられない状態。毎日制服で呑んだくれたものだった。図書館や予備校の自習室でビール片手にビッグマックをほおばる迷惑なヤツだった。

◆その頃僕のウォークマンにはずっとThe First Of A Million Kissesが入っていた。勉強にも集中できず、さりとてあまり受験生の友人たちに甘えることもできなくなると、独りで繁華街を歩き回ったものだ。冷夏だった88年夏の空は曇り、灰色の重たい雲がどんより自分の頭上を覆っていた。千種の河合塾から、逃げる様にさまよい出て、栄のセントラルパークに降り立つ。高層ビルの林立する名古屋イチの繁華街だが、ここだけは空が広い、楽しそうに同世代が行き交う、疲れたオヤジがベンチにうづくまる、誰にも頼れない、誰からも癒されない、僕は独り空を見上げる。そんな時にEddieのもの悲しいメロディが耳に入りこんで自分をいっぱいにしていく。

Find My Love
It's Got To Be Perfect
Whisper In My Ear

彼女の優しさが胸に染みて、僕を正気に戻していく。温もりに触れた気がして、自分に帰るところがあるような気がしてくる。そんな一瞬をFairgroundは僕に見せてくれた。このアルバムが僕を支えてくれたのだろう。

◆一瞬の花火の様にはじけて消えたメリーゴーラウンドのようなバンド、彼女等の事はずっと忘れないだろう。

◆試聴は→CDナウ

◆後日談:受験生の夏をすべて呑んだくれて過ごした僕は、9月にはじめて彼女ができる。失恋の傷を舐めあうような恋愛だったが、初恋愛、そして初体験!、楽しくて楽しくて、猿になったままクリスマスイベントをこなす。そして年を越え、平成を向かえるとともに、自業自得の体力の衰えか(?)40度の熱を出すことに。。。注射で熱を下げ→上京→受験→40度というローテーションを5回繰り返し、絶対浪人確定と思われたが、見事!第一志望のみ合格(笑)。酒につき合わせた友人たちはすべて浪人し、僕は友情を失ったまま平成元年4月、東京で独り暮しをはじめた。。。

アナログ精神でアナログ生活:RockPile

at 2001 02/19 13:11

◆土日を使って部屋の模様替えをした。以前からネックになっていた27インチのテレビの移動のためだ。16インチのテレビがぶっ壊れて、27インチに買い換えたのはいいが、部屋が狭くてテレビが近すぎるという状況をどうにかしたかった。そして、それに加えて奥に入りこんで取り出せなくなっていたレコードの山を引き出そうとしていた。

◆1970生まれの自分にとっては、CD購入と同じ位アナログ購入の歴史もあるわけで、買い替えたり売ったり実家に置いてきたりしたにも関わらず、依然ダンボール2箱のレコードがある。また、ジャケットがカッコ良くて、CDでは満足いかず、アナログで保持したいものも多数あり(特にJazz、ブルースもの)新たに買い足したものもあった。そんなアナログ生活の復帰第1弾に取り出したのが、何故かRock PileSeconds Of Pleasureでした。

◆Rock Pileというのはパブロックの双璧であるDave EdmundsとNick Loweのユニット。もともとはDaveのツアーユニット名だったらしいけど、自らがプロデュースしたブレンズリーシュワルツのNickがソロワークをはじめてから、なんとなく二人のユニット的な意味合いに。そしてRock Pileの解散祝い(?)って感じで出たのがこのアルバム。

◆ぼくはNick Loweは大好きだ。3回もライブに行ったほど好きである。NickってのはBay City Rollersの覆面作曲家をやっていたり、Dammedやコステロをデビューさせたり、デビュー前のヒューイ・ルイスの面倒を見てたりと、実は結構陰の大物なのだが、いかんせん本人のレコードは全然売れない。最大のヒットはCruel to Be Kind(恋する二人)か? 全然マイナーじゃん(笑)。ライブもバックバンド連れて来れないほどである。

◆で、このアルバム、まぁ日本で置きかえれば伊藤銀次と杉真理がコラボレートしたような感じのアルバムである。全編ぬるぬるな50年代風R&R、まったりとピクニックでもしながら聴いていたい感じだ。あぁ寝てしまった、気持ちいい暖かさだねぇって感じでね。ホンワカゆるゆる、楽しいなぁ(笑)。年寄ロックンローラーの同窓会?、あぁ昔は良かったなぁ、俺も髪の毛あったんだぜ、リーゼントでよ、モテたもんだったな、ナンシーはどうした? あぁ孫の入学式で来れない? 女も孫ができると連れないなぁ。。。。。。。。。

◆しかし、このアルバムをつくった時、Daveは36歳、Loweにいたっては31歳である。なんでこんなにヒットや金を考えないアルバム作れるんだろうね、売れるって思ってるんかな? 思ってないだろうな。自分たちだけで楽しんでるよな。これこそ悟りの境地なんだろうか? 楽しそうだ、本当に楽しそうだ、When I Write A Bookなんて昔を懐かしんでるボケ老人の境地だ、いやこれは誉め言葉だゾ。

◆いいなぁ、こんなに我が道を行くアルバムをつくれて。そしてその道の同志がいて。いい人生だ。

◆NickのオフィシャルはNick Lowe On line、Daveのはthe Official Dave Edmunds Website

初めてハマッたブラックミュージック:Cherrelle

at 2001 02/20 23:28

◆近頃、町長やゆうくさんと盛んに交流させていただいているので、まるで自分が相当のブラック好きかのように思えてくるが、自分の”レコもは”史のなかで、ブラックはかなり後発に近い部類に入る。

◆もちろん、ヒットチャートからの影響や定番を押さえるとというのはあるわけで、Beat ItやWhen Doves Cry等のヒット曲は聴いていたし、Diana Ross、Miracles等は一応聴いていた(どちらかというと定番処はPOPSアーティストがカバーしてるからという聞き方だったけど)。だから、自分から熱中してブラックを聴きはじめたのは残念ながら高校に入ってからだったのである。

◆最初にCherrelleに出会ったのは、FM東京系ネットしていた、角松敏生のプログラムだったと思う。大体頭の軽い僕は暗示に弱い(笑)。ヘビーローテーションされると大体気に入ってしまうものだ。J−Waveなんか会社で一日中かかっているから、J−Waveリコメンドはほぼ洗脳される。問題は手に入れてからどれくらい興味が続くか、そこでそのアーティストとの相性がわかる。

◆Cherrelleの大ヒットアルバムHigh Priorityの場合は今聴いてもカッコいい。かなりの割合で、このアルバムが僕のブラック趣味の基本になっている。だからJanet Jacksonはとても好きだ。


アルバムジャケよりかわいいぞ(笑)→


◆とりあえずデータ的に説明すると、このアルバムは85年発表の、Cherrelleの実質的2ndアルバムで、プロデュースは1stから引き続き元TimesのJimmy Jam & Terry Lewis。このアルバムがブラコンチャートで大人気を呼び、Janet Jacksonのプロデュースをすることになったんじゃなかったかな? 彼女はControl以降現在までずっとJam & Lewisにアルバムを任せている。(あぁ去年の宇田多ヒカルのAddicted To YouもJam & Lewisだったよね)。そしてこのアルバム以降シェリールはブラコンやダンスに欠かせない女王になるはずだったけど、Anita Bakerや前述のJanet、Whitneyらがヒットチャートを独占し、結局ブラコンチャートより大きく足を踏み出すことはなかった。皮肉なことに後から出てきた従姉妹のPebblesがPOPSチャートで踊りだすことに。

◆話は戻るけど、このアルバム、実に80年代ブラコンらしい秀逸なアルバム。シェリールのボーカルは時にはウイスパーで耳元を刺激し、時にはアレサのような腰の入り方で聴くものを引っ張っていく。あまり激しいビートの曲はなくミディアムテンポのダンスチューンが続く。しかしそれでも聴くものを飽きさせないのは歌唱力とメロディアスさだろう。一曲一曲がよく練られており、その上でアルバム全体の統一感が出ている。ちょっとしたショウ仕立てのオープニング(A/B面とも)から、ダンサブルでリズミカルなナンバーがスタートし、そしてちょっとメロウな曲で休ませてくれるのかと思えば、メロディの美しさで聴きこまされ、再び盛り上げていくあざとさ。JamLewisの手腕にうならされる。実に80年代の都会的な雰囲気を演出してくれるアルバムだ。

◆特に好きなのは、B面一曲目のSaturday Love。デビューしたてのAlexander O'nealとデュエットをしているが、週末の都会のロマンスの雰囲気を想像させる。

◆このアルバム、僕のブラックミュージックの基本である。基本ってことは評価基準、まぁそんなもんです。



文章が長くて。。。:CannonballAdderley

at 2001 02/21 15:12

◆10月からこのMusic Talkをはじめた。毎回更新するたび思うのだが、書いているときは、文字数が少ないなぁ、これじゃいいたいことの半分も言えやしない。でも沢山書くと読みづらそうだからなぁ。。。などと思っているのだが、UPすると予想以上にスペースを取っていることに毎回気づく。1行たかだか50W。なるべく漢字を減らし平易な文章にしようと心がけているので、文字数が多少多めになるのは仕方ないといえば仕方ないが、昨日のシェリールの文章にしてもワードでA4の用紙ほぼ1枚(40W×40L)以下である。

◆普段から文章の練習をしている人なら簡潔に書けるのだろうが、自分のように幼稚な文章だと、どうしても1枚じゃ気持ちを書ききれない(データも入れなくてはならないし)。しかし多ければそれでいいたいことが書ききれるのかというと、結局まとめきれなくなって、意味不明の戯言の羅列の様になってしまうのは目に見えている。難しいものよのう。。。。

◆自分の様に絵やデザインで見せたり、音楽にしたりできない人間にとって、文字/言葉というのは唯一の意志伝達手段である。しかし、その伝達手段ってのが思いの外、御しがたい代物である。そしてまた、言葉はなんとも不自由なもので、100万語の言葉よりも一瞬の映像のほうが物事を的確に語ってしまう場合も多い。

◆音楽の場合は特にそうだ。どれだけ的確な表現を並べたとしても、その音楽の本当の良さを相手に理解してもらう事はできない。だからライナーノーツや評論も、特筆して表現のうまい人を除けば、みなデータや個人的思い入れの発露として逃げてしまう。その点、どうしても逃げられないのはジャケットだ。

◆ジャケットというのはとても大切なものだ。1枚の画像でその音楽のウリを表現しなくてはならない。上手く表現できているものもあるが、どうしようもないものもある。また、ジャケットはとてもいいのだが、内容とかけ離れたものもある(これはジャケ買いをして後悔させられる事になるので消費者としてはもっとも憎むべき存在だ(笑))。

Cannonball Adderleyの58年の名盤Somethin' Elseのジャケットは素晴らしい。黒ベタの地にゴナ系の文字のみ。しかしCannonballのクールさ、研ぎ澄まされたプロのテクニック、そしてその完璧なまでに煮詰めた完成度を、このジャケットは表現している。そしてそれらを手に取ったものに感じさせることに成功している。

◆あぁ 音楽自体に入れない内にすでに書き過ぎてしまった。デザイナーReid Milesはスゴイということをいう、それだけのTalkになってしまったらしい(笑)。Cannonball Adderley:Sax (Alto)  Miles Davis:Trumpet Leonard Feather:Liner Notes  Hank Jones:Piano Sam Jones:Bass Art Blakey:Drums、まあこれを見ただけでも歴史的名盤だとわかるわな。。。クールなくせに滑らかなホーンを堪能してください。

◆試聴する? CDナウへGo!(笑)

もっともカッコよくて楽しいライブアルバム!

at 2001 02/24 20:31

◆今日は僕の本当に好きなアルバムだ。91年の春、NYCのBeacon Theatreにて行われたLiveをまとめたアルバムThe New York Rock And Soul Revue Live At The Beaconだ。誰のアルバムかって? R&B好きなオヤジたちのアルバムだ。

◆MCによる紹介のあと、妙に軽やかに始まるのはDonald Fagen。The Nightflyの後、何やってるんだかと思ってたら、小さなライブハウスで遊んでやがった。とても軽やかに楽しんでる。完璧主義的なオリジナルアルバムでのDonaldとは大違いだ(笑)。

◆そしてその後を受けて現われたのが元DoobiesのMichael McDonaldとブラックフォークの開拓者Phoebe Snowが歌うKnock On Woodだ。なんとなく商業ポップス的な活躍が目立ってあんまり好きじゃなかったMichael、このアルバムで見方が変わったぞ! そして堂に入ったSnowおばさん、Paul Simonのアルバムでデュエットしていた頃から好きだったけど、いいねぇこの人。完全にMichaelを喰いまくってる。歌のうまさなんて関係ないや。

◆そしてFagenが自分の曲。ちょっと雰囲気が変わる。Fagenの音楽への忠誠心が見え隠れする。さっきまでのカバー曲は「音楽好き好き!」って騒いでいたかんじで、オリジナル曲のほうは真剣な恋愛のような感じ。

◆そのあと2曲、Snowが聞かせてくれてディープなR&Bの世界に。またMichael、今度はLonely Teardrop。ジャッキーウイルソンのヒット曲だ。このオヤジ、RB好きなんだなぁ結構いいやつじゃんと思わせる(笑)。

◆そして!なんとBoz Scaggs、Silk DegreesのAORとは全然ちがったBozが聴けるぞ。ライナーノーツでは「原点に帰ったような」って感じで書いてるけどWe Are All Aloneしかしらんからなんとも言えん┐('〜`;)┌ そしてCharles Brown。ちょっとブルージーな感じ。

◆そんな感じで呑んだくれR&B好き親父たちにぴったりのライブは続くが、もっとも気持ちのいいパフォーマンスがEddie&David Brigatiの兄弟が歌うGroovin'。自らの率いた歴史的バンドRascalsの往年のヒット曲だ。多少音に不安定なところもご愛嬌なくらい本物をかんじさせる。
Groovin'OnASundayAfternoon!

ほら、すぐ口ずさんじゃう(笑)。

◆そんな感じで、往年のR&Bヒット曲とFagenやMichaelのJazzyなオリジナル曲が交差し、絶妙なバランスを保っている。こんなライブ、間近で見ることが出来たら最高なんだろうなぁ、一生アル中でもいいってかんじ。あぁニューヨークへ行きたいねえ。。。

◆試聴はここだっ! まだ聴いてない人は必ず買うように(笑)。

◆O氏を真似てウイスキーの瓶を片手に書いたら訳わからんくなった。やはり素面で書かないとな。でもアルコール、それもバーボンなしでは聴けないくらい楽しいアルバムなのだ!!

音を楽しむ:WillSmith

at 2001 02/25 21:57

◆俺がSmapとかモー娘。とかあゆあゆ等を聴いていると不思議なものを見た気分になる人がいる。なんだかマニアはメインストリームを聴いてはいけないような偏見があるのかもしれない。

◆カラオケ等の普及により大分低くなってきてはいるが、音楽の世界はメジャーとマイナーの境界線が非常に高い。そしてマニア好きなもの、いわゆるマイナーとかサブストリーム、洋楽等も細分化されて互いに不干渉の世界になってきている。

◆GLAYやラルクなどのビジュアル系と呼ばれるものはあまり好みではないので聴かないが、メインストリームものもかなり好きである。モー娘などの曲は相当高い音楽性を持っている。かなり昔のアイドル歌謡曲はビジュアル先行の大量生産に支えられていたため、音楽的にはかなり質の低いものが多かったが、バブル以降、大衆の耳が肥えたこともあるだろう、人気のあるタレントの音楽は、中途半端にアーティストを気取っているやつらよりもいい音楽を供給してくれる。SmapのアルバムなんかWill Leeやマンハッタントランスファー、ケニーギャレットのメロディが聴けちゃったりするんだから世の中不思議だ(Smap012)。田原俊彦のプロデュースをフィルラモーンがしただろうか? ジャパンマネー万歳(笑)

◆そんな現在、たかがアイドルタレントと馬鹿に出来ない状況が生まれているのは間違いないだろう。金の集まるところには優秀な人材も集まってくる。そして現在のJ-WAVE等のチャンネルやタワーレコード・HMV等の外資系資本を無視できないマーケットの中で高い音楽性を持つアーティストに対抗せざるを得ない現状、やはりハードルの高い音楽性を提供することが消費者ニーズとなってくるのは否めないだろう。音楽好きにはいい時代だ。

◆そんな状況はアメリカではとうの昔に起こった話だろう。80年代以降のアイドルの音楽は、一流のアーティストに引けを取らない出来である。このWill Smithの99年の大ヒットアルバムWillenniumもそうだ。元The Fresh Princeだとは言ってもアイドルタレントである。帰国子女の某氏には「アメリカのロウティーンとおんなじような音楽聴くんだね」と冷笑されたが、僕自身はとても気に入ってるアルバムである。確かに子供向きではあるが、決して子供だましではないところがいい。

◆子供向きなエンターテインメントというのはとても難しいものである。子供は背伸びをしたがる生き物であるから、少しでも見下して舐めた態度をとると敏感に察知する。その上、過剰なほどの刺激を求めるくせに、その刺激への順応も早いので飽きるのも早い。つまり、対等な目線で、新しい刺激を常に提供し、その上でクオリティの、ある程度、高いものを作らなくてはならない。考えるだけで大変さが身にしみてきた。実は、子供よりその道のマニアのほうが、満足させるのは簡単なんだよね(経験談)。

◆そんなことで、このWillくんであるが、飽きないのである。ラップというアルバム一枚聴くには、ちょっと中だるみしがちなジャンルの癖に、一曲一曲がどれもシングルカットできるくらいのクオリティを持っている。その上、一曲一曲が違った趣きを持っているので、4分ごとに新しい発見がある。

◆オープニングに相応しい一曲目、切れのいいラッピングが炸裂し、スピード感あるダンスナンバーである2曲目に続く。そしてダブルラッパーの相棒やチープなコーラスとの掛け合いが絶妙な3曲目、クールなトーキングの4曲目、これも女性ラッパーとの絡みが見ものだ。5曲目はラテンちっく。。。そんなかんじで15曲も楽しめる。ラップやヒップホップが全然興味のない人でも、関係なく楽しめる作りだ。

◆たしかにきちんと音楽を追いかけている人には新しさはないかもしれない。ビートルズやキングクリムゾン、大滝詠一や大沢伸一のような新しい実験は皆無だ、むしろ避けている。しかし「音」を「楽しむ」という意味での音楽ならこのアルバムはかなりいい出来だ。商業音楽の商業音楽たるポイントをきちんと踏まえたアルバムだろう。そういう意味でSmapもWill Smithも楽しんでいる俺はおかしいのだろうか(笑)。

◆SMEのWillのページ。試聴も出来ます。USオフィシャルは→

今月のオトシャベリへ、●アーティストリスト


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