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達観する魂の音:Van Morriosn

at 2000 11/09 23:31

◆生活や恋愛、人間関係とか仕事等で、色々問題にぶち当たる事がある。そのときいつも思うのは、動じず達観できる境地に立てないこと。さまざまな感情、感傷、執着、プライド等が却って問題を難しくしてしまう。

◆目標に対して最善の策はなにか、それを正しく見とおせて(そもそも目標が見えなくてはならないけど)、その策に向って凛と向かっていける、そのような心境で挑みたいものである。

◆迷いを捨てる。なんて難しい言葉だろうか。迷ってこそ人間、そんな気持ちもする、しかし早く不惑の境地に達したい。そして迷うことなく平静な面持ちですべての事象にあたる事ができればいいと思う。揺れることなく定位置にいられれば、揺れている人々の港にもなることができるのであろう。

VanMorrisonは迷った事があるのだろうか? 彼の音楽を聴いていると達観の境地にいる様に思えてしまう。とても熱いメッセージがある。しかしそのメッセージを伝えるために、叫んだり、暴れたり、泣いたり、訴えたり、そんなことは絶対しない。彼は切々と必要な言葉を紡いで行くだけだ。ああ、この人には真実がわかってるんだ。信じるものがあって、それに対して自分の歩幅で、ゆっくりではあるが確実に歩いているんだ。そういう気になってしまう。

◆ソウルフルと彼を評する人は多い。しかし、その言葉は、ポピュラー音楽の言語内では、オーティスやスティーヴィやアレーサの音を思い浮かべてしまう。Vanの音は決してソウルミュージックではない。しかし、明らかにソウルフル(魂に満ちた)音なのである。

◆Vanの3rdアルバムMoondanceにCrazyLoveという曲がある。同様なタイトル(&内容)の曲はこの地球上に数え切れないほどあるであろう。どの曲も熱く愛を歌い上げている。しかし、こんなに熱情を抑制しているのに他人の心にまっすぐに染みていく表現のできる曲は他に知らない。

◆何にも動じることなく、ただ信じた道のりを歩んでいく。信じた愛、信じた人、信じた物事そのためには自己犠牲も厭わない、しかし、その情熱を決して表沙汰にはしない、靜かにそして着実に歩むだけなのである。そんな彼の歌を聴いていると、普段の流されて生きている自分の姿が恥ずかしくなってくる。

◆ウォルト・ホイットマン、自然への帰化を求め、独り森の人となったアメリカの詩人の生き方が、Vanの曲から連想される。しかしそれは、「孤高」「隠遁」等で表されるものではなく、誰から何をいわれようと自分の信念を貫く姿勢――向かい風の中に凛と立つ獅子のように――を想起させるものであろう。

Moondanceは私のベスト5に10年以上入っているアルバムだ。発表は1970年。以前レコードコレクター誌で音楽評論家大鷹俊一氏に「スティングが2枚組アルバムで大げさにやろうとしていたことを4分半に凝縮している」と言わしめているアルバムである。その4分半とは、タイトル曲Moondance。Popsの手法を取りながらインプロビゼーションJazz的アレンジとスピリチュアルなボーカルが心にえも言わせぬ印象を残す逸品である。

◆このアルバムを含め前後10年ほど、Vanは本当の意味でのフォークミュージシャンとして、地べたを這うように生きる人々の魂を揺さぶる音楽を作っている。まさにソウルミュージック。まっすぐ人の心に訴えかけてくる。その訴えには迷いがない。達観の境地である。

◆その後のVanは「癒し」「彼岸」「精神」「敬虔」等がテーマとなっていき、本当に目標の方向へいっちゃったんですね(汗)的な感じがする。しかしまた、それらはとても穏やかで美しく、聴いている者の心を温めてくれる音楽となっていった。

◆彼の歌声ように何も迷うことなく、自分の信じる方向へ歩いていける、そのようになっていきたいと思う。それは確かに現代の生活にはとても不器用な生き方だとは思う。そのようなモノに憧れを持つこと、人はやはりそれを笑うだろうか?

ぼくの基本です♪:Paul Simon

at 2000 11/09 23:28

◆あなたは最初に好きになったアーティストって誰ですか? 

◆洋楽ならぼくはPaul Simonでした。サイモン&ガーファンクルの片割れです。さだまさしのラジオだったかな?ポールのStill Crazy After All These Years「時の流れに」を聴いた時、当時フォーク好きで、とても歌詞を大切にしていた自分の中で、歌の意味がわからなくても感情に訴えることが出来る音楽を知りました。

◆なんかとっても寂しくって、でもとっても温かい。心の中で静かに相手を思う気持ち。そんなのが伝わってきて、とても好きになったもんでした。

◆なんとSGよりソロの方が好きなんですよね。サイモンは実質的2ndアルバムThere Goes Rhymin' Simon「ひとりごと」(本当は4枚目)と3rdであるStill Crazy〜(本当は6枚目)がとっても好き。S&Gはどちらもソロ活動の方が好きです。ガーファンクルはサイモンの切々とした曲を歌っているときより、JimmyWebbの流れるようなきれいな曲を歌っているほうが気持ち良い。ポールサイモンもフォークからはなれて、南部音楽やRB色の強くなった楽曲の方が心に迫ってくるようで好きです。

◆ポールって背が低いし、禿げかけてるし、ユダヤだし、なんとなく卑屈っぽいんだよね(笑)。疑心暗鬼っていうか、細かい事めっちゃくちゃ気にしそうで、目が宙をさまよっている…でもそんな奴が一生懸命歌っているのがちょっと好感(笑)。

◆彼ってずっとさまよってるんだよね。S&Gでプロテストソング〜フォークやって最後にメキシコ気にして(コンドルは飛んでいく)、1stではレゲエ2ndで南部。それからR&B、ゴスペルぽいもの、ネオアコ、南アフリカ、ブラジル、ミュージカル等。いろいろ他の音楽にチャレンジしながら自分のルーツ探してる様に見える。でも、曲作りも歌もアクが強く、全部サイモン節になる。だから「帝国主義的」といわれちゃうんだよね。チャレンジする音楽に対する敬意が感じられない。その辺りTalkingHeadsに通づるところがあります。

◆そんな中でStillCrazyは一番の成功だとおもう。ラルフ・マクドナルドやスタッフのメンツが非常にいいセッションしてるし、ガーファンクルだけじゃなくて、フィービー・スノウ、ゴードン・エドワード、デイビッド・サンボン、ボブ・ジェイムズ、パティ・オースティン等、今じゃ考えられないくらい豪華なミュージシャンがそろってる。プロデューサーがビリー・ジョエル育てたフィル・ラモーンだから当たり前といえば当たり前だが。グラミー取るだけはありますなぁ。ぼくはこのアルバムからStuffやゴスペル等が好きになり、どんどん耳が肥えていきました(笑)。だからぼくの中の全ての基本ですね。

◆ニューヨークのミュージシャンたちが参加したとてもクオリティの高いセッションアルバムってかんじかな。泣けるし、楽しくなるし、時代を超えて残ってるアルバムだと思う。これこそ名作!って推せるアルバムです。

音楽の敬意ということ:BuenaVistaSocialClub

at 2000 11/16 00:27

◆Simonがどこが帝国主義的なのかというと、Paul SimonのGrace LandとこのCDと聴き比べてみれば分かると思う。Ry CooderプロデュースのBuena Vista Social Clubサウンドトラックだ。

◆Simonが南アフリカで新しい音楽を発見した(この言い方自体帝国主義的なのだが)のと同じように、Ryもキューバで古いキューバン音楽(ソン)に出会った。そしてSimonは南アフリカの音楽を取り入れて名作GRACE LANDを作った。Simonの場合、あくまで自分のオリジナリティに「とり入れた」のである。しかしRyの場合、ソンの中に同化した、というか仲間になってBuena Vistaを一緒に作ったのである。どちらも名作である、どちらも好きだ。しかしGRACE LANDからは南アフリカの音楽の特徴はつかめても、現地のミュージシャンたちの生き様、息遣いは聞こえて来ない。あくまでこのアルバムの中で南アフリカというものは「素材」でしかない。しかしBuena Vistaの中でソンは主役であり、Ryはあくまで紹介者である。ソンを商業ベースに加工して映画にあわせた展開にする。Ry自体の音は、ソンを現代的に見せるための「支え」でしかない。

◆十数枚あるRyのアルバムで、彼が一流のミュージシャンでクリエーターでボーカリストだということは周知の事実だが、このアルバムで彼が一流の編集者(音楽の)であることが分かる。このアルバムと、その後のIbrahim Ferrerのソロを聴くと、Ryが本当にキューバ音楽に愛情をもっていて、そのミュージシャンを尊敬していることが分かる。そして彼らの最高の部分を引き出そうと必死になっている感じが伝わってくる。だからこのサントラは聴いていて、とても気分がいい。

◆すでに音楽を捨てて久しい、棺桶に足を半分突っ込んでいるような年寄りたちに、もう一度楽器を手に取らせ、そして、最盛期よりもいい音を出してもらう。そんな難題にRyは挑戦し、見事クリアしたのである。いい気になってソロだしたり、ワールドツアーしたりする気になるくらい、彼らを心地よく演奏させたのだから見事だ。

◆Ryの異文化の取り入れ方はとても好感が持てるし、とても素敵だ。そして何よりこのアルバムはとても気分がいい。聴いていて穏やかで楽しい気分になれる。だから一回聞いてみてください。そして、映画、こちらは必ず見てください。いい映画ですWimWendarsの映画の中でも最高作のひとつかと思います。

◆Buena Vista Social Clubの公式ページ

のどかで平和な日曜日でした:クラムボン

at 2000 11/28 13:00

◆まったりヽ( ´-`)丿
そう、昨日の休みは1日中まったりしてました。

◆ベッドでまったり、ファミレスでまったり、川辺でまったり、あぁぁバカになる。脳が腐る、コレステロールが蓄積される。うみゅぅ…(;^_^A 

◆この文章ってワードで下書きしてるんだけど、ワードで顔文字入れると、字間行間フォントのせいで、顔文字の表情がめっちゃ新鮮! いちど試してみてください(笑)。

◆なんてつまらないことを言ってしまうくらいマッタリしてました。

◆やっぱ和み系だよねー、こんな日は。ミディアムテンポの抑揚の少ないベイビーボイス。そんな気分なんですなぁ。

◆ベイビーボイスって好きなんですよ。で、ぽっちゃり系丸顔、でショートカット。だけどスレンダーでスタイルもあんまり抑揚なく…おれの女の好みを語ってどうする!?

クラムボンの原田郁子ちゃんの声、和みますよね。あぁエラが張ってなければ顔も好みかも…。なんか声域狭そうですよね、でも一生懸命うたってる。なんかほほえましい。歌詞もよくわからない(笑)。韻をきれいに踏んでるんだけど、そこにこだわりすぎて、内容が伝わってこない。だからとっても哀しい曲でも、なんとなくふんわり聞こえてくる。この声でトーチソングとか似合わないもんね。

「まちわび まちさび」ってなんなんだろう。単なる言葉遊び?たぶんいろんな意味を含んでるんだろうな、考えれば色々出てきそうだ。でも思考停止して、メロディにあわせて言葉面だけ味わう。それがとっても気持ちよさそう。

◆やっと紹介できるようになったよね、このバンド。1枚目も可愛かったけど、なんか残らない。印象が薄い、そんな気がしてた。ギターレスだからかな、耳に引っかからない。でもこの2枚目「まちわび まちさび」は耳にも心にも残りまくる。メロディラインが整理されてきたのかな、それとも遠慮がなくなってのびのび唄えるようになったのかな。

◆大好きな「シカゴ」別バージョンなのが嬉しいやら哀しいやら、シングルGETしておけばよかった。

◆なんか矢野顕子ちゃんに似た雰囲気あるよね。寒い時期にとてもいいアルバム。コタツの中でマッタリ聴きたいな。

オフィシャルサイト、できたばっかりのホヤホヤサイト。チャットまであるぞよ♪




その辺りがKUWAMANが惚れた理由なんだろうな:ダンス★マン

at 2000 11/29 11:55

◆ダンス☆マンのライブにいった。GALAXY TOUR 2000 in ON AIR EAST、ソールドアウトは東京だけらしいので、人気の程がわかるというもの。賛否両論あるユニットだ。「王様+世紀末(漢字忘れた)のダンス版」「ふざけたつまらんギャグコピーバンド」「オリジナルできないジャン」等、しかし僕は大好きなんですわ。

◆ 最大の理由はダンス☆マンの曲を聴くたび、「おーおー兄ちゃん、分かってるジャンか、アンタも好きよのう、ほれ、一緒に一杯やらんか」的な気分になってしまうことだ。「昔好きだったあんな曲やこんな曲を、愛情たっぷりにうれしそうに歌う」その歌を聴いていると楽しくなり、そしてそれを日本語で一緒に口ずさめるようになるのだ。やー楽しいことこの上ない。ダンス☆マンもピストン西沢(DJ ICHIRO)も「同世代じゃ〜ん」「わかってるじゃ〜ん」てなかんじかな。親近感♪

◆ そして、そもそも彼は歌う「ダンス親善大使」なのである。ダンス音楽の楽しさを広めるために歌を唄っているのである。彼の歌はすべて既存のダンス音楽のコピーだ。そして曲構成やコンセプト、ステージまでも完全にオリジナリティゼロ! それがとてもイケてる。彼の音に出会い、楽しめた人は、すべからくFUNKが好きになれる素養があるのだっ!! ステージのっけからMCが登場して「さあ、みんなでダンスマンを呼びましょう!」なんてBootsy Collinsかっ! ニセダンス★マンがコンサートをジャマするなんて下らない子供だましはP-FUNKやJacksonsが良くやるじゃねーかっ! 「みゃお〜ん」ってなんだよ、「ゲラッパ」とどこが違うんだ? コーラスガールのブスさ、デブさは黒人っぽいよな、彼女等の分かりやすい踊り、まさしくナイトフィーバーじゃん(笑)。そしてステージメンバーの無意味な多さ、どれもこれもブラックそのもの。いやー笑いました。

◆ でもそこにパクリとちがう部分はやはり、彼ら自身が好きな音楽を真似て楽しんでるという意識があるからであろう。愛情というか敬意というか、そういうものがとても感じられる。だから、パクリでもコピーでもない、オリジナリティゼロというオリジナリティが感じられる。そして愛情たっぷりだから、一緒にいて楽しいのだろう。

◆ そして歌詞! すばらしい。常々「日本の歌謡曲ってどうして恋歌ばかりなのだろう」と思っていた。恋がテーマじゃなくても必ずアナタとか、会いたい人とかいう恋愛を匂わせるフレーズが出てくる。そこがどうも納得いかないなぁと思っていたのだが、この人たちの歌はほとんど出ない(笑)。あたりまえだよな、空耳アワーなんだから。「釣りしよう!ほらサオ振ろう!」(Freakshow On The Dance Floor)「英語を使って話したい」(Ain't No Stoppin’Us Now)。なんて普通な歌。「Papa’s Gotta Brand-New Bag」にも通じる。そして「いつもゴールデンかラブラドール」(The Greatest Love Of All)なんて犬同志のラブソング、なんとなくGeorge Clintonの「Dope Dogs」を想起して微笑んでしまった。

◆ まあ、とりあえず、基本的には下らない歌詞ばかりなんだけど、それが思いつめてなくて楽。たぶん、心からの叫びなんて、関係ないだろう。とりあえず楽しもうぜ、That's Entertainner! つまりはBorn To Be FUNK! 大人の遊びだな、これは…。

◆ 唯一、気になるのは、CDの曲がもうちょっと低音効かせて欲しいな、ってことかな。画像は最新シングル「漢字読めるけど書けない」。馬鹿っぷりがいいね、それにのってイラスト描いた永井豪先生に感服。オフィシャルHPはここここ

今月のオトシャベリへ、●アーティストリスト


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